治療(カウンセリング)を進めるための留意点

カウンセリング(心理臨床面接)をしていて、大学院で習った方法だとなかなか上手くいかない、本当にこれでいいんだろうかと不安になることもあると思います。

今回、治療(心理臨床面接)を進める留意点を「山上敏子の行動療法講義with東大・下山研究室(山上敏子・下山晴彦 著 金剛出版)」から一部を抜粋させていただきました。行動療法について記載されている本ですが、臨床をされている方にはとても重要な視点になります。山上敏子先生の臨床に対しての考えがとても具体的に分かりやすく記載してあり、日々の支援への考え方がとても参考になります。

①できそうなところを見つける

変化できそうなところから見つけましょう。できることしかできないため、できることに注目することで変化を起こしやすくします。できないことに注目すると症状がより強くなりやすくなる可能性もあります。そして、症状を用いての対応をしないようにすることです。憂うつ感が強い場合、思考が上手く働かないこともあります。その際、思考を用いるような治療法であるとよりしんどくなることもあります。症状を使わない方法を考えましょう。


②クライエントに生じた変化をクライエントに分かるようにする

変化することは重要であるが、それがクライエントに分かるようにすることが重要です。そうすることでクライエントの面接への動機も高まります。セルフモニタリングなどで自分の行動について記載する方法も変化を察知しやすくなります。クライエントが少しでもよくなっていることを感じる方法を取り入れましょう。


③クライエントの能力に合わせる

面接の中でクライエントの理解力なども考慮することは大切です。聴力に問題のある人であれば補聴器を用いるように、面接中のクライエントの理解に問題があれば、理解しやすい言葉を用いる必要もあります。また、介入方法もクライエントの理解に合わせた方法を用いましょう。


④治療には雰囲気がいる

不安定なクライエントに対してただ形式的に面接をするだけが治療ではありません。セラピストが感じた励ます言葉も時には重要な治療の要因になりえます。「よくがんばっていますね」「応援していますよ」というメッセージもクライエントをサポートします。そして、治療が上手くいっていないと感じても穏やかに、明るく対応することでクライエントは安心を感じます。


治療の留意点として当たり前に感じるところもあると思いますが、とても重要であり、日々実践に追われていると忘れてしまいがちな点ばかかりです。常に面接の中で頭の片隅に入れておきたい留意点だと思います。



学習支援塾KiT

広島県三次市で学習や子育てをサポートしている一般社団法人KiTです。 意欲的に学習する力、基礎学力、多面的に考える力の向上を目的としています。 得意を積極的に伸ばし、苦手なところは少しずつという視点で指導をします。 KiTは道具箱という意味です。 お子さまやご家族に寄り添いながら有用な学習や子育てに関する道具を提供していきます。

0コメント

  • 1000 / 1000